アンテナの種類を徹底解説!代表的な12種類と標準アンテナに採用される理由

レーダ技術の基礎

アンテナは、電気信号と電波を相互に変換するための重要な装置です。しかし一口にアンテナと言っても、その形状や用途はさまざまで、通信、放送、レーダ、衛星通信など、それぞれの用途に適したアンテナが開発されています。

この記事では、代表的な12種類のアンテナの特徴や用途を紹介するとともに、測定の基準となる標準アンテナとして採用されやすいアンテナについても解説します。


代表的なアンテナ12種類

ここでは実際によく使用される代表的なアンテナを紹介します。

① ダイポールアンテナ(Dipole Antenna)

最も基本的なアンテナです。

半波長程度の長さを持つ2本の導体から構成され、多くのアンテナ設計の基準となっています。

用途

  • FMラジオ
  • テレビ
  • アマチュア無線
  • アンテナ測定
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② モノポールアンテナ(Monopole Antenna)

ダイポールアンテナを地面で半分にしたような構造です。

自動車のホイップアンテナも代表例です。

用途

  • 車載無線
  • 携帯基地局
  • 業務無線

③ ループアンテナ(Loop Antenna)

導体を輪状にしたアンテナです。

磁界成分を利用する特徴があり、ノイズに比較的強いという利点があります。

用途

  • RFID
  • AMラジオ
  • 電界測定

④ 八木・宇田アンテナ(Yagi-Uda Antenna)

日本で開発された高利得アンテナです。

複数の素子を配置することで強い指向性を得られます。

用途

  • 地上デジタル放送
  • アマチュア無線
  • レピータ通信
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⑤ ホーンアンテナ(Horn Antenna)

導波管の先端を広げた構造を持つアンテナです。

利得が高く、放射パターンが安定しているため、測定用途でも広く使用されています。

用途

  • 電波暗室
  • レーダ
  • マイクロ波測定

⑥ パラボラアンテナ(Parabolic Antenna)

放物面反射鏡を利用し、高い利得を得るアンテナです。

遠距離通信やレーダでは最も代表的なアンテナの一つです。

用途

  • 衛星通信
  • 気象レーダ
  • 航空管制レーダ

⑦ パッチアンテナ(Microstrip Patch Antenna)

基板上に形成される平面アンテナです。

小型・軽量で大量生産に向いています。

用途

  • GPS
  • Wi-Fi
  • 自動車ミリ波レーダ

⑧ ヘリカルアンテナ(Helical Antenna)

導体をらせん状に巻いたアンテナです。

円偏波を発生しやすいという特徴があります。

用途

  • 衛星通信
  • GNSS
  • 宇宙通信

⑨ スロットアンテナ(Slot Antenna)

金属板に設けたスリットから電波を放射するアンテナです。

航空機や艦船など、機体表面への埋め込みに適しています。

用途

  • 航空レーダ
  • 軍用通信
  • 航空機

⑩ ログペリオディックアンテナ(Log Periodic Antenna)

非常に広い周波数帯で使用できるアンテナです。

EMC試験などでも多く使用されています。

用途

  • EMC測定
  • 電界測定
  • 広帯域通信

⑪ フェーズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)

多数のアンテナ素子を並べ、電子的にビーム方向を制御します。

機械的に回転しなくても高速に走査できます。

用途

  • AESAレーダ
  • 5G基地局
  • 衛星通信

⑫ スパイラルアンテナ(Spiral Antenna)

らせん状に広がる導体で構成される広帯域アンテナです。

円偏波と広帯域特性を両立できます。

用途

  • 電波監視
  • 電子戦
  • 広帯域受信

標準アンテナとは

アンテナの性能を評価するには、「基準」となるアンテナが必要です。この基準となるアンテナを**標準アンテナ(Standard Antenna)**と呼びます。

標準アンテナには、利得や放射パターンが正確に把握され、再現性が高いことが求められます。そのため、測定対象や周波数帯に応じて適切なアンテナが選ばれます。


標準アンテナとして採用されやすいアンテナ

半波長ダイポールアンテナ

半波長ダイポールは構造が単純で、理論解析が容易です。

放射パターンや入力インピーダンスが古くから詳細に研究されており、利得は約2.15 dBiと基準値が明確なため、多くの測定で基準アンテナとして利用されています。


標準利得ホーンアンテナ

マイクロ波帯では、標準利得ホーンアンテナが広く使用されます。

その理由は、

  • 放射パターンが安定している
  • VSWRが小さい
  • 利得誤差が少ない
  • 校正が容易

という特徴を持つためです。

電波暗室やレーダ評価では、このホーンアンテナが標準アンテナとして採用されることが一般的です。


ログペリオディックアンテナ

広帯域測定ではログペリオディックアンテナが利用されます。

1本で広い周波数範囲をカバーできるため、EMC試験や不要輻射測定に適しています。


各アンテナの特徴まとめ

アンテナ指向性利得主な用途
ダイポール低い約2.15 dBi基準・無線
モノポール低い約5 dBi以下車載無線
ループ低い低いAM・RFID
八木宇田高い8~20 dBiテレビ・無線
ホーン高い10~25 dBi測定・レーダ
パラボラ非常に高い20~60 dBi衛星・レーダ
パッチ中程度5~9 dBiWi-Fi・GPS
ヘリカル高い10~15 dBi衛星通信
スロット中程度用途による航空機
ログペリオディック中程度6~10 dBiEMC測定
フェーズドアレイ可変用途によるAESA・5G
スパイラル広帯域3~10 dBi電子戦・監視

まとめ

アンテナには用途や周波数帯に応じてさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。通信距離を重視する場合はパラボラアンテナや八木・宇田アンテナ、広帯域性を重視する場合はログペリオディックアンテナやスパイラルアンテナ、小型化を重視する場合はパッチアンテナが選ばれます。

また、アンテナ性能を評価する際には、特性が安定し理論解析が確立された半波長ダイポールアンテナ標準利得ホーンアンテナが基準として広く利用されています。これらの標準アンテナは、レーダや無線通信機器の性能評価、EMC試験、電波暗室での測定など、電波工学のさまざまな場面で重要な役割を果たしています。

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